美山町の「里山システム」を生かし続ける
里山システムとは、地域の人・自然・文化が、共に生き続ける持続的なしくみのことです。 美山町にはそれがすでにあります。私たちがつくったものではありません。 そのしくみを美山で生かし続けるために、地域外の学生である私たちに何ができるかを考え、手を動かしているのがわっしょいです。
2023年6月に京都大学の学生サークルとして始まり、2026年1月22日に一般社団法人になりました。 現在は7大学・11学部から約140名(2026年8月時点)が在籍し、農業・子どもの体験教育・国際交流・地域DX・学習支援などに取り組んでいます。 運営はすべて学生が担っています。専門も学年も出身もばらばらですが、そのばらつきをそろえないまま持ち寄ることを大事にしています。
種もみの温湯消毒から稲刈りまで、農家さんに教わりながら手を動かします。 2025年度は美山で46回活動しました。毎週末に若者が通う流れそのものが、人口が減っている町にとっての関係人口だと考えています。 ビジター参加制度で学生以外も受け入れています。
学校でも家でもない場所で、子どもたちと一日を過ごします。 2025年度は年間34回実施し、地域住民・子どもたちの延べ参加人数は400名でした。 2026年6月の田植えでは、学生に植え方を教える子どもが出てきました。
目標は「京大生の子ら」から、個人名やあだ名で呼ばれる関係になることです。 作業のあとのおすそ分けや、行事の設営の手伝いを重ねています。 2025年10月には京都府「地域交響プロジェクト交付金事業」に採択されました。
| 団体名 | 一般社団法人わっしょい (通称 美山まちおこしサークル「わっしょい」) |
|---|---|
| 設立 | 2023年6月(学生サークルとして)/ 2026年1月22日(法人化) |
| 活動地 | 京都府南丹市美山町(和泉地区を中心に) |
| 会員数 | 7大学・11学部から約140名(2026年8月時点) |
| 主な構成員 | 京都大学を中心に、京都の各大学から参加。農学部・文学部・工学部・法学部・経済学部・留学生など、大学・学部・学年を横断したメンバー構成。運営はすべて学生が担っています |
| 主な活動内容 | 農業/子供向け体験教育プログラム(すくすく)/MIYAMA EXPO(国際交流)/学園祭出店・食品づくり/美山ぐるぐる教室「カヤゴヤ」(茅葺きトレーラー)/農業DX/美山塾(学習支援・仮実施中) |
| 行政連携 | 京都府「地域交響プロジェクト交付金事業」採択(2025年10月) |
| スポンサー | 株式会社オービット様(2026年2月〜) |
| メディア掲載 | 2024年度 計1回(テレビ朝日「食彩の王国」)/2025年度 計3回(京都新聞・KBS京都「きょうとDays」・朝日新聞)/2026年度 KBS京都「きょうとDays」・京都新聞・KCNなんたん(MIYAMA EXPO第3回ほか) |
| SNS・活動報告 | note / Instagram / X(旧Twitter) |
| 設立日 | 2026年1月22日 |
|---|---|
| 事務所 | 京都市左京区 |
| 代表理事 | 國島拓人、山口惇、森下龍琉(休務中) |
| 連絡先 | wasshoi.ku@gmail.com |
| 公告 | 公告ページはこちら |
なぜ、美山なのか
南丹市美山町は、京都市内から車で約1時間30分の山間地域です。人口は約3,000人。田んぼの水の分け方、茅の葺き方、行事の回し方が、いまも人から人へ受け渡されています。担い手が減っているのは事実ですが、しくみ自体はまだ動いています。
私たちは美山の出身ではありません。だからまず、教わることから始めました。ポッド苗の定植も、電柵の直し方も、地域の方に見せてもらって覚えたものです。その上で、毎週末に若い人間が何十人も通ってくるという状態を、学生の側からつくれるのではないかと考えています。
2026年1月22日に一般社団法人になりました。代表の代が卒業しても回るように、契約・会計・引き継ぎの形を整えている途中です。

活動の中身より先に、関わり方のほうを決めています。 定期ミーティングで言葉にし直しながら、次のことを守るようにしています。
私たちは地域外の学生です。美山に対して上から関わらないことを、いちばん上に置いています。 「地域に貢献する」という言い方も、慎重に使うようにしています。
楽しくなければ毎週末に片道1時間30分は走れません。 その上で、この活動が子どもや地域にとって何なのかを、メンバー全員が自分の言葉で説明できる状態を保ちます。
「京大生の子ら」とまとめて呼ばれる段階から、個人名やあだ名で呼ばれる関係へ。 作業の合間の立ち話や、おすそ分けの行き来を数えていきます。
川・水路・農作業・車の運転。危ない場面は実際にあります。 企画そのものの見直しと、マニュアルの整備を両方進めています。
全部うまくいった報告はしません。 カヤゴヤのクラウドファンディングを半年延期したこと、運営が特定の数人に依存していること。 そういうことも書きます。
7大学・11学部、留学生、そして美山の多世代の方々。 専門も立場も違う人が持ち寄られること自体が強みなので、無理にそろえません。
美山と社会について、私たちが目指す姿はまだ固まっていません。 現時点で団体内の議論に上がっているのは、次の方向です。断定できる段階ではないので、そのまま書いておきます。
オンラインで、離れていてもゆるくつながり続けられる場。 そして立ち寄れて、泊まれて、手を動かせるリアルの拠点。 入口を下げて、奥行きを深める。カヤゴヤ構想は、後者の具体形として考えているものです。
定款第3条に書いた目的です。農業・教育・モノづくりを通じて、地域をつくる次世代を育て、 その形を「南丹モデル」として町外にも伝えていきたいと考えています。
留学生、美山の子ども、大学生。都市のNGOでも、農村単独の団体でもない、 この三角形が続くことに意味があると考えています。MIYAMA EXPOはその実験です。
人ではなく、しくみとして続くこと。 いまは情報が代表・幹部の頭に溜まっており、これが2025年度の最大の内部課題です。 記録の制度化とオンボーディングの整備で解いていきます。
2025年度は、美山での活動回数が46回(全体では109回)。すくすくプロジェクトは年間34回を実施し、1回あたり平均 約20名が参加しました。 地域住民・子どもたちの延べ参加人数は400名、車の往復は111台です。 会員数は27名から62名になり(2.3倍)、その後2026年8月時点で 約140名 になりました。 メディア掲載はテレビ朝日・KBS京都・京都新聞・朝日新聞で2024〜2025年度に計4回、 2025年10月には京都府の交付金事業に採択され、2026年2月に株式会社オービット様とスポンサー契約を結びました。
一方で、手を広げすぎた面があります。企画の数に運営が追いつかず、準備が直前になった回もありました。 情報が代表・幹部に集中している状態も解けていません。2026年度はここから直しています。

2025年度は多くの団体・個人にご協力いただきました。NPO法人森の教育プロジェクト(収穫感謝祭・メリー餅つきマスほか通年連携)/京都大学交響楽団(6・8・12月の計3回コンサート)/京都大学留学生コミュニティ(MIYAMA EXPO 1st・2nd)/京都大学合気道部(12月合気道体験会)/東京科学大学ロケット制作サークル(8月ペットボトルロケット教室)/京都工芸繊維大学の学生(10月枝豆収穫販売WS)/田歌舎さん(8月ラフティング)/南丹市立美山小学校(プログラミングクラブ協働)/地域の茅葺職人の方・美山町の保護者・住民の方々(毎活動ごとに物品・場所のご提供)。
2026年度は、以下の団体との連携が決まっています(2026年7月時点)。NPO法人森の教育プロジェクト(すくすくプロジェクトの共催団体。田植え・農作業・MIYAMA EXPO など計8件をご一緒し、会場の提供から企画・当日運営・片付け・安全管理まで担っていただいています)/京都大学交響楽団(6月7日 グリーンコンサート)/京都国際学生の家(MIYAMA EXPO 第3回の留学生ネットワーク)/株式会社オービット様(通年のご協賛)。
数字を伸ばすことより、一つひとつの質を上げることを優先します。取り組むのは次の4つです。 このうち2つは、まだ準備段階です。
動く体験教育・交流施設として計画しているものです。現在は設計と地域協議、資金の目処づけの段階で、着工はしていません。 クラウドファンディングは2026年11月後半のローンチ予定に変更しました(当初は5月予定)。
「きづく・めざす・うけつぐ・ためす」の4軸ルーブリックで記録を取り続け、3年間の実践を分析して論文の形にすることを目指しています。 他地域でも使える形にできるかは、これから確かめます。明治国際医療大学の先生に学術面の助言をいただいています。
センサとライブカメラで田んぼの状態を数値と映像で残し、京都市内からでも見られるようにしています。 Phase 1 は /farm で公開中。農地環境の定量化と、離れた場所から関わり続けられるしくみづくりを並行して進めます。
いまは情報が代表・幹部の頭に溜まっています。記録の制度化、引き継ぎ資料、オンボーディングを整え、 財務基盤と世代交代のしくみをつくります。誰が幹部になっても回る状態が目標です。
現場の企画とは別に、法人としての手続きや技術面を担当するチームを置いています。 属人化を解くための整備も、この2チームが中心になって進めています。
各種申請・契約・会計処理・保険まわりを担当します。法人になって日が浅いため、前例がなく手探りの作業も多いチームです。 学生のうちに法人の帳簿を触れる場所は多くないので、そこは正直おもしろい部分でもあります。
リーダー:宮平華花(会計)
事務作業の自動化と、このウェブサイトの開発を担当しています。農業DXの田んぼセンサ・ライブカメラもここで作っています。 属人化した情報を記録として残すためのツール整備も、同じチームの仕事です。
リーダー:山口惇(代表理事)
美山町での活動以外にも、メンバー同士の交流や息抜きを大切にしています。 あくまでもサークルなので、楽しく仲間たちと続けられることをすごく大事にしています。
年2回、サークル全体での泊まりがけ合宿。夏は美山でラフティングやキャンプ、冬は遠征してスキー・スノボなど。 普段の活動とは違う時間を過ごせて、メンバー同士の距離がぐっと近づく機会です。
7大学・11学部、学年もばらばらです。農業・教育・広報・食品・会計・開発と担当は分かれていますが、 専門どおりに配属しているわけではなく、やりたい人がやっています。
※ 各メンバーのプロフィールと自己紹介はメンバーページでご確認いただけます。他大学からの参加者も歓迎しています。
2023年の設立から現在まで、美山町での活動の歩みをご紹介します。
※ 下の図は2025年度(2025年4月〜2026年3月)の1年間のタイムラインです。

設立メンバーの一人、大西航太郎が高校在学中に美山町での農業・文化体験イベントを企画し、学年単位で実施。地域の方々と交流を行ったほか、のちに連携を開始するブラッキー中島氏と出会う。
美山の農家さん・ブラッキー中島氏との連携をスタート
大西を中心に美山町にて農作業体験を初めて実施。田んぼの草取りとニンニク・ジャガイモの収穫を体験
京都大学の学生10人を中心として「美山まちおこしサークル「わっしょい」」設立
子供たちとの最初の体験プログラムを開催
様々な地域行事やイベントに参加し、地域の方々や子どもたちと交流させていただきました
設立メンバーの大西・和崎・日髙・山口を中心に、学生主体の地域づくりプロジェクトとして活動を整備。
新メンバー募集を行い、会員数が25人となる
京都大学農学部3年の山口惇がサークル代表に就任。
「田んぼの周りの植物クエスト」開催(参加者26名)
テレビ朝日『食彩の王国』にて飼料用トウモロコシ栽培の取り組み(6月収録)が紹介される
教育・農業体験事業が「南丹市学生提案型まちづくり活動交付金」事業に採択される。
京都大学学園祭NF「枝豆焼きにぎり」1879食を完売
活動21回、延べ参加学生123名・地域住民約95名を達成
47名の新メンバーが加入・農作業メイン期間スタート
通年型体験教育プログラム「美山すくすくプロジェクト」正式発足 / グリーンコンサート(京都大学交響楽団・協働第1弾。子どもたちと一緒に舞台に立つ一体型コンサート)/ 美山ロードに初参加
MIYAMA EXPO初開催(京都新聞に掲載)/ 美山やまざと市への参加(京都大学交響楽団と連携)/ 三日間のキャンプを初実施 / 東京科学大学と共同ロケット教室
オンライン学童を初開催
京都府「地域交響プロジェクト交付金事業」に採択
学園祭NFにて「枝豆焼きにぎり」約3,500食を完売(朝日新聞 取材・KBS京都「きょうとDays」特集放送)/ 美山小学校でAIプログラミング教室
クリスマスコンサート(京都大学交響楽団・協働第3弾)/ 合気道体験会 & メリー餅つきマス(森の教育PJ・京大合気道部と協働)/ 会員数60名突破
一般社団法人「わっしょい」設立(正式法人化)
MIYAMA EXPO 第2回開催(13か国の留学生が参加)
株式会社オービット様とスポンサー契約締結
すくすくプロジェクト最終回「飛び出す美山カレンダーづくり」/大阪の小学校から初の寄付金を受領
株式会社オービット様とのスポンサー契約を更新
京都大学農学部3年の國島拓人がサークル代表および法人代表理事に就任。
新入生歓迎期間に100名を超える新メンバーが加入。総会員数は約140名に。
美山塾プロジェクトのオンライン学習塾・自習室を定期開催中
継続的なサークル活動の様子がGAKUNITYに掲載される
お米の旅編 田植え・農業DXプロジェクトのセンサー運用開始
KBS京都「きょうとDays」がMIYAMA EXPOの準備を密着取材
MIYAMA EXPO 第3回開催 — 参加者110名(うち子どもたち34名)/KBS京都・京都新聞・KCNなんたん取材
京都大学の学園祭に子どもたちと3年目の出店(予定)